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この記事では、Zemax OpticStudio 環境のノンシーケンシャル モードでマルチビーム干渉のシミュレーションを実行する方法を取り上げます。OpticStudio で光学系に可能な用途、理論、実装およびシミュレーション結果について説明します。ここで取り上げる数値モデルは柔軟性に優れているので、さまざまな用途に合わせて容易に変更を導入でき、定性解析と定量解析を実施できます。
作者 : Zemax Consultant Partner、Maciej Traczyk
会社名 : Systemy Optoelektroniczne Maciej Traczyk
ウェブサイト : www.optoelektronika.com.pl
電子メール : kontakt@optoelektronika.com.pl
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はじめに
マルチビーム干渉を使用して、セラミック、金属、ポリマーをはじめとする多彩な材料のコーティングを変更できます。面上に形成した干渉パターンにより、これまでは不可能であった特性をその面に実現できます。その用途の例を以下に挙げます。
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- 金属板、ガラス、浴室装備への疎水性コーティングの生成
- 偽造防止のためのセキュリティ領域
- 外科移植の生体適合性改善
- 耐摩耗性の向上
- 生体工学で細胞と組織の培養に使用するスキャフォールド
理論
1 本のレーザー ビームは次の式で記述できます。
\( \overrightarrow{E}=\overrightarrow{E_0} \exp[-i(\overrightarrow{k}\overrightarrow{r}-wt)] \tag{1} \)
各値の定義は次のとおりです。
- \(\overrightarrow{E}\) :ビームの電界強度の振幅
- \(\overrightarrow{k} = \frac{2π}{λ}\) : 波動ベクトル
- ω : 円形波周波数
- λ :波長
複数のレーザー ビームによる干渉画像は、次のように各ビームの個別電界 \( \overrightarrow{E_j} \) に重ね合わせの原理を適用することによって得られます。
\( \overrightarrow{E}= \sum_{j=1}^{n} \overrightarrow{E_j} = \sum_{j=1}^{n} \overrightarrow{E_{0_j}} \exp[-i(\overrightarrow{k}\overrightarrow{r}-wt)] \tag{2} \)
n 本のビームによるパワー密度は次の量に比例します。
\( I_n \approx \langle |\overrightarrow{E_n}|^2 \rangle \tag{3} \)
最も簡潔な条件である 2 本のレーザー ビームの干渉に次の前提を設けます。
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- ビームの強度はそれぞれ \( I_1 \) および \( I_2 \)である。
- ビームは 1 つの平面上を伝搬する。
- ビームは、面の法線に対してθの角度を成して面に入射する
- 偏光による効果は考慮しない
得られる電界の強度は次のように記述できます。
\( I(x) = I_1 + I_2 + 2 \sqrt{I_1 I_2} \cos(2 \cdot k \cdot x \sin \theta ) \tag{4} \)
フリンジ電界の空間的周期は次のようになります。
\( d= \frac{\lambda}{2 \cdot \sin \theta} \tag{5} \)
2 本のレーザー ビームの干渉 - 理論との比較
次の図は、波長λ = 1064 nm の 2 本のレーザー ビームが、面の法線に対して角度θ = 2.5°を成して入射することによって発生する干渉のシミュレーションを示しています。
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図 1 - レーザー ビームの干渉 |
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得られた構造の空間的周期が 12 µm であることが断面図からわかります。
式 (5) の定義による空間的周期は次のようになります。
\( d= \frac{\lambda}{2 \cdot \sin \theta} = \frac{1064 nm}{2 \cdot \sin (2.5)} =12.19 µm \)
シミュレーション
紹介する方法のどのシミュレーションでも、次の前提を設けます。
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- ノンシーケンシャル モード
- 波長λ = 1064 nm
- 光源のパワー P = 1 W
- レーザー ビームのプロファイルはガウス
- レーザー ビームの直径 d = 10 mm
- 解析対象の光線本数は 1e9
- 矩形タイプのディテクタ上で、干渉の結果をコヒーレント強度モードで観測
- ルーフ プリズム/ピラミッドの高さ z = 1
- プリズム/ピラミッドの基底半径 r = 12 mm
- プリズムのガラス材料は N-BK7
光学系
光学系は次の構成とします。
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- ガウス プロファイルを持つ光源
- ビーム スプリッタ (ルーフ プリズムまたはピラミッド) - .POB ファイルにポリゴン オブジェクトで定義
- ディテクタ 1 (大型) とディテクタ 2 (小型)
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図 2 - 光路 |
マクロ - ルーフ プリズムとピラミッドの作成
ビーム スプリッタ エレメントの作成を自動化するマクロが用意されています。このマクロを使用して、ルーフ プリズムとピラミッドを作成できます。ユーザーが入力する値は、フェイスの数 n (プリズムでは 2、ピラミッドでは 3 以上)、プリズム/ピラミッドの高さ、プリズム/ピラミッドの基底となる円の半径です。
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図 3 - ZPL マクロの一部 |
このマクロの演算によって .POB を拡張子とするファイルが生成されます。このファイルには、各頂点の位置およびこれらの頂点を結合してソリッドを構成するための定義が記述されています。
点の定義を記述したファイルの例と、作成されたピラミッドを図 4 に示します。
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n=2, h=1 mm, r=12 mm |
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V 1.0000 -8.4853 -8.4853 0.0000 |
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n=3, h=1 mm, r=12 mm |
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V 1.0000 12.0000 0.0000 0.0000 |
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n=4, h=1 mm, r=12 mm |
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![]() |
V 1.0000 12.0000 0.0000 0.0000 |
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n=6, h=1 mm, r=12 mm |
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V 1.0000 12.0000 0.0000 0.0000 |
| 図 4 - さまざまな形状のビーム スプリッタ エレメントと、マクロによって得られた .POB ファイルの内容 | |
方法 1 - ディテクタの回転
ビーム スプリッタ エレメントとしてルーフ プリズムを使用します (n = 2)。
この光学系を通過したビームによって、ディテクタ平面に干渉パターンが形成されます。つづいて、所定の角度による回転をディテクタに適用し、ディテクタをクリアせずに、再度、ビームの伝搬を実行します。このサンプルでは、任意の角度で回転を適用でき、任意の回数で伝搬を実行できます。
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図 5 - ディテクタ (矩形) 向けのディテクタ ビューア設定 |
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図 6 - エディタでディテクタのアルファ角度を 90°とした回転 |
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表 1 - サンプルのシミュレーション結果 |
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伝搬 = 1、アルファ = 0°
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伝搬 = 2、アルファ = 60°
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表 2 - サンプルのシミュレーション結果 |
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伝搬 = 1、アルファ = 0°
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伝搬 = 2、アルファ = 90°
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方法 2 - ピラミッド
この方法では、ビーム スプリッタ エレメントとしてピラミッドを使用します。壁の数とピラミッドの形状寸法は、マクロを使用してユーザー側で定義できます。
結果の例を表 3 に示します。
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表 3 - サンプルのシミュレーション結果 |
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| n=3 | ![]() |
| n=4 | ![]() |
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n=5 |
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| n=6 | ![]() |
.POB ファイルを編集することで、ビーム スプリッタの不完全性をシミュレーションすることもできます。
頂点の位置を変更すると、意図的に欠陥を導入できます。表 4 を参照してください。
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表 4 - サンプルのシミュレーション結果 |
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n=4 - 理想的な条件 |
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V 1.0000 12.0000 0.0000 0.0000 |
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n=4 - 不具合になる条件 |
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V 1.0000 12.0000 0.0000 0.0000 |
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まとめ
この記事では、OpticStudio のノンシーケンシャル モードでマルチビーム干渉のシミュレーションを実行する方法を紹介しました。紹介した解法は柔軟性に優れているので、さまざまなニーズに容易に適合できます。ZPL マクロを使用すると、さまざまな形状のピラミッドとルーフ プリズムを作成できます。スプリッタ エレメントを定義しているファイルを編集して、生産で発生する不完全性をシミュレーションすることもできます。
参考文献
可能性のある医療用途に関する記事 :
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0925963516300139



























